【完全ガイド】ノートパソコンのバッテリー劣化を正しく確認する方法

「外出先で電源が落ちて焦った…」
「もうバッテリー限界?」
「バッテリーが古いと売れない?」

そんなトラブルに備えて、この記事では バッテリー劣化の確認方法から、交換の目安・延命策までを丁寧に解説します。
Windows標準機能だけで今すぐできる方法を紹介しているので、まずはチェックしてみましょう!
確認するのに特別なソフトは必要ありません。
さあ、あなたのノートパソコンのバッテリーを一緒に健康診断してみましょう!
【最初に知りたい】ノートPCのバッテリーが劣化してるかどうか、すぐに確認するには?

一番手っ取り早く、しかも確実なのは、Windowsに標準で備わっている「Battery Report(バッテリーレポート)」という機能を使う方法です。
Battery Reportを見れば、一目でバッテリーの状態が分かります。
Windows 11/10共通で使える「Battery Report」の出し方
Battery Reportは、「コマンドプロンプト」という、ちょっと難しそうな名前の画面から出します。
でも、心配しないでくださいね。やることは、パソコンに「バッテリーレポートを出してね」という「おまじない」を打ち込むだけなんです。
具体的な手順はこちらです。
画面の左下にある、Windowsのマーク(スタートボタン)を右クリックします。

文字がたくさん並んだメニューが出てきます。
「ファイル名を指定して実行」という項目を選択してください。

小さな画面が出てくるので、名前の欄に「cmd」と入力して「OK」をクリックします。
これで「コマンドプロンプト」という黒い画面が出てきます。


黒い画面の中に文字がピカピカ光っている場所(カーソルといいます)があるはずです。そこに、キーボードを使って次の文字を正確に入力します。
powercfg/batteryreport
入力したら、キーボードの「Enter」キーをポンと押してください。
これで、Battery Reportが作られます。黒い画面に英語で何やら表示されますが、見るべきはレポートが保存された場所を示す部分です。

「C:\Users\あなたのユーザー名\」の後ろにある「battery-report.html」というのが、レポートのファイル名と保存された場所です。

赤線部分をコピーしておくとこの後の手順が簡単になります。
バッテリーレポートの開け方
先ほどの手順で出てきた「C:\Users\あなたのユーザー名\battery-report.html」という場所は、あなたのパソコンの中にある特定の「部屋」のようなものです。
この「battery-report.html」というファイルを開くと、インターネットを見るソフト(EdgeやChromeなど)でレポートが表示されます。

先ほどの赤線部分をコピーして、Windowsメニューの検索バーで検索するとファイルが出てきます。
このHTMLファイルを開けば、あなたのバッテリーの状態が詳しく書かれたレポートを見ることができます。
今すぐ見たい人のためのショートステップも紹介
もう少し簡単な開け方もあります。
- キーボードの「Windowsキー」(旗のマーク)と「R」キーを同時に押します。
- 「ファイル名を指定して実行」という小さな画面が出てくるので、そこに「cmd」と入力して「OK」をクリック。
- 黒い画面に「powercfg/batteryreport」と入力して「Enter」。
- 表示されたファイルの場所(例: C:\Users\あなたのユーザー名\battery-report.html)を覚えておきます。
- Windowsキーを押しながら「E」キーを押して、「エクスプローラー」というファイル管理画面を開きます。
- 左側にある「PC」や「ローカルディスク(C:)」などをクリックして、「C:\Users\あなたのユーザー名\」の場所まで進みます。
- そこに保存されている「battery-report.html」というファイルをダブルクリックして開きます。
この手順なら、ファイルを探して開くのが少し楽になるかもしれませんね。
【劣化の判断基準】Battery Reportの見方と注目すべき数値

さて、Battery Reportを開くことができたら、次に重要なのが「どこを見ればバッテリーの元気度が分かるの?」という点です。
レポートにはたくさんの英語が並んでいますが、ここで注目すべきはたった2つの数値だけです!
「Design Capacity」「Full Charge Capacity」とは?

レポートを開いて少し下にスクロールすると、「Installed batteries」(取り付けられているバッテリー)という項目があります。
ここに、あなたのバッテリーについての情報が書かれています。その中の特に重要なのがこの2つです。
DESIGN CAPACITY (デザイン キャパシティ) | これは、 あなたのノートパソコンのバッテリーが工場から出荷されたときの、本来持っているはずの最大容量 を示しています。 新品の時の「満タン容量」ですね。健康診断でいうところの、「理想的な体力」みたいなものです。 単位はmWh(ミリワットアワー)やWh(ワットアワー)で書かれています。 |
FULL CHARGE CAPACITY (フルチャージ キャパシティ) | これは、 現時点で、あなたのバッテリーが満タンまで充電できる最大の容量 を示しています。 つまり、「今の体力」です。 |
バッテリーは使っていくうちに劣化するので、この「FULL CHARGE CAPACITY」の数値は、だんだん「DESIGN CAPACITY」の数値よりも小さくなっていきます。
劣化の目安は◯%以下!プロが教えるチェックポイント
バッテリーの劣化具合を知るには、今の体力(Full Charge Capacity)が、理想の体力(Design Capacity)に対して、どれくらいの割合になっているかを見ればOKです。
計算は簡単です。
(FULL CHARGE CAPACITY ÷ DESIGN CAPACITY) × 100 = バッテリーの現在の元気度(%)
例えば、Design Capacityが45,000 mWhで、Full Charge Capacityが30,000 mWhだった場合
(30,000 ÷ 45,000) × 100 = 約66.7%

この場合、バッテリーの元気度は約66.7%ということになりますね。
一般的に、ノートパソコンのバッテリーは、この 「現在の元気度」が80%を下回ってくると、「劣化が進んでいるな」と考えられます。
使っていても80%以下になったら、前よりバッテリーの持ちが悪くなったと感じやすくなるでしょう。
もし、この数値が50%や60%と低くなっている場合は、バッテリーがかなり消耗しているといえます。
もちろん、この数値だけで「すぐに交換!」と決める必要はありません。
実際に使ってみて、「電源がないと1時間も持たない…」など、困ることが増えてきたら交換を検討する目安になります。
おかしい数値が出たときの対処法も解説
もし、Battery ReportでDesign CapacityよりもFull Charge Capacityの方が大きかったり、逆に急に数値がすごく低くなっていたりなど、「あれ?なんか変だな」と感じる数値が出た場合は、いくつかの原因が考えられます。
- 一時的な誤認識
- ごくまれに、OS(Windows)が一時的にバッテリーの状態を正しく認識できていない場合があります。
- バッテリーのリフレッシュが必要
- バッテリーの残量表示がズレている場合など、一度完全に使い切ってから満充電するという「リフレッシュ」が必要な場合があります。(ただし、リフレッシュはバッテリーに負担をかける場合があるので、頻繁に行う必要はありません)
- バッテリー自体の問題
- ごくまれに、バッテリー自体に不具合が起きている可能性もゼロではありません。
まずは、パソコンを一度シャットダウンして、しばらく置いてから再び起動し、もう一度Battery Reportを出してみてください。
これで正しい数値に戻ることもあります。

おかしい数値が出続ける場合や、実際に使っていて明らかにバッテリーの持ちがおかしい場合は、パソコンのメーカーのサポート窓口に相談してみるのが一番安心です。
【さらに詳しく】BIOSや専用ソフトで劣化度を正確にチェックする方法

Battery Reportは手軽で便利ですが、「もっと詳しい情報が知りたい」「別の方法でも確認してみたい」という方のために、他のチェック方法もご紹介します。
BIOSから確認できるモデルと手順
「BIOS(バイオス)」というのは、パソコンの電源を入れたときに最初に起動する、パソコンの基本的な設定をする場所です。
メーカーによっては、このBIOS画面でバッテリーの状態を確認できるようになっています。
ただし、 すべてのノートパソコンで確認できるわけではありません。
また、BIOS画面の出し方や表示内容は、パソコンのメーカーや機種によって大きく異なります。
BIOS画面に入るには、パソコンの電源を入れてすぐに特定のキーを連打する必要があります。
(F2キー、Deleteキー、F10キーなど。これもメーカーによって違います。)
画面に「Press F2 to enter Setup」のような表示が出たら、そのキーを押します。
BIOS画面に入れたら、「Power」や「Battery Info」といった項目を探してみてください。
そこにバッテリーの健康状態や劣化率が表示されていることがあります。
BIOS画面は、パソコンの重要な設定ができる場所なので、よく分からない項目はむやみに変更しないように注意しましょう。
確認が終わったら、「Save & Exit」(設定を保存して終了)ではなく、「Discard Changes and Exit」(変更を保存せずに終了)を選んでBIOSを終了するのが安全です。
フリーソフトのおすすめ3選とその使い方
より詳細なバッテリー情報を知りたい場合や、グラフで劣化の推移を見たい場合は、専用のフリーソフトを使うのも一つの方法です。
ただし、フリーソフトを使う際は、信頼できる提供元からダウンロードすること、そして「自己責任」で利用することを覚えておいてください。
いくつかおすすめのフリーソフトを挙げますが、インストールや使い方はそれぞれのソフトによって異なります。
基本的には、ソフトをダウンロードしてインストールし、起動すればバッテリー情報が表示されるものが多いです。
フリーソフト | 特徴 |
---|---|
HWMonitor | CPUの温度やファンの回転数など、パソコン全体のさまざまな情報を表示できるソフトですが、バッテリーの情報(劣化度など)も確認できます。シンプルな表示で見やすいのが特徴です。 |
BatteryInfoView | バッテリーのDesign CapacityやFull Charge Capacityはもちろん、充電・放電レート、サイクルカウント(充電・放電を繰り返した回数)など、かなり詳しい情報を見ることができます。情報量が多いので、最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れると便利です。 |
CrystalDiskInfo | 本来はSSDやHDDの状態を確認するソフトですが、ごく一部のノートパソコンでは、バッテリーの健康状態を表示する機能を持つ場合があります。 もしCrystalDiskInfoを既に使っているなら、ついでに確認できるかもしれません。 |
これらのソフトをダウンロードする際は、必ず公式サイトや信頼できるソフトウェアダウンロードサイトから入手し、提供元が不明な場所からはダウンロードしないようにしましょう。
インストール時も、不要なソフトが同時にインストールされないように、表示をよく確認してください。
「数値のズレ」が発生する理由とその見方
Battery Report、BIOS、フリーソフトなど、複数の方法でバッテリーの状態を確認すると、「あれ?表示される数値が少し違うな…」ということがあるかもしれません。
これは、それぞれのツールがバッテリーの状態を測定する方法や、参照している情報が微妙に異なるために起こります。
OS(Windows)が認識している情報と、バッテリーの制御チップが持っている情報が完全に一致しない場合などもあります。
どの数値を信じればいいか迷うかもしれませんが、まずはBattery Reportで表示された数値を基準に考えるのが良いでしょう。
これはWindowsが公式に提供している情報だからです。
他のツールで得られた数値は、あくまで「参考」として捉え、全体の傾向や劣化の進行具合を見るのに役立てるのがおすすめです。

そして一番大切なのは、数値だけでなく、実際にノートパソコンを使ってみて「バッテリーの持ちがどうなったか」という体感です。
数値が悪くても、自分の使い方で困らないならすぐに交換する必要はありませんし、逆に数値はまあまあでも、体感で「これは困る!」と感じたら交換を検討するサインです。
【交換すべき?】バッテリー交換のタイミングと目安

Battery Reportなどでバッテリーの劣化具合を確認して、「そろそろ交換かな?」と考え始めた方もいるかもしれません。
でも、具体的にいつ交換するのが良いのでしょうか?
何%以下なら交換すべき?具体的な判断基準
先ほどお話ししたように、Battery Reportで確認できる 「現在の元気度」(Full Charge Capacity ÷ Design Capacity × 100)が80%を下回ってきたら、交換を検討する一つの目安 となります。
特に、この数値が 50%や60%を切っているようなら、バッテリーの性能はかなり落ちている と言えます。
ただし、交換の最終的な判断は、あなたの使い方や困り具合によって決めましょう。
- 交換を検討し始める目安
- 現在の元気度が80%以下になった
- 電源がない場所で1〜2時間しか使えなくなった
- バッテリー残量が十分あるはずなのに、急に電源が落ちることが増えた
- バッテリーが膨らんできた(危険な状態の可能性があるので、すぐに使用を中止しメーカーに相談してください)
- 交換を強く推奨する目安
- 現在の元気度が50%以下になった
- 電源がないと、ほとんど使えない状態になった
- バッテリーが膨らんでいる、熱を持つなどの異常がある
「まだ使えるから大丈夫」と思って無理に使い続けると、作業中に突然シャットダウンしてデータが消えてしまったり、バッテリーの異常がパソコン本体に悪影響を及ぼしたりする可能性もゼロではありません。

困ることが増えてきたら、早めに交換を検討しましょう。
純正バッテリー vs 互換バッテリー、選ぶべきはどっち?
バッテリーを交換する際に、メーカー純正品と、純正品ではない「互換バッテリー」の2種類があることに気づくと思います。
それぞれの特徴を知って、自分に合った方を選びましょう。
純正バッテリー | 互換バッテリー | |
---|---|---|
メリット | パソコンのメーカーがその機種のために作っているので、品質や互換性が保証されており、安心して使えます。 トラブルが起きるリスクが非常に低いです。 メーカー保証が付いている場合もあります。 | 純正バッテリーに比べて価格が安いのが最大の魅力です。 |
デメリット | 互換バッテリーに比べて価格が高いことが多いです。 | 品質にばらつきがあります。中にはすぐに劣化してしまったり、最悪の場合、発熱や発火などの事故につながる可能性もゼロではありません。 メーカーの保証がなく、使用によってパソコン本体が故障しても保証対象外となるリスクがあります。 |
パソコンにあまり詳しくない方や、安全性を最優先したい方には、断然「純正バッテリー」をおすすめします。 価格は高くても、安心と信頼性は純正品が一番です。

- 豊富なラインナップ:主要メーカー対応のバッテリーを多数取り揃え
- 安心の品質と安全性:電気用品安全法(PSE)届出事業者
- 信頼の実績:2016年創業、確かな品質とサービス
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交換以外にできる延命方法はあるのか?
一度劣化したバッテリーを回復させる方法は残念ながらありません。
しかし、これからこれ以上劣化が進まないように気をつけたり、今あるバッテリーで少しでも長く使うための工夫はできます。
詳しい方法は次の見出しで解説しますが、例えば充電の仕方を少し変えたり、パソコンの設定を工夫したりすることで、バッテリーへの負担を減らし、今より長く使えるようになる可能性があります。
【予防と対策】今後バッテリーの劣化を遅らせるためにできること

バッテリーは消耗品なので、使っているうちに少しずつ劣化するのは避けられません。
でも、日頃の使い方を少し工夫するだけで、その劣化を遅らせて、より長く快適に使うことができます。
次のルールを意識するだけで、バッテリーへの負担を減らし、寿命を延ばすことができます。
- 常に充電しっぱなしにしない
- 完全に0%になるまで使い切らない
- 高温・低温環境を避ける
- 充電しながら高負荷な作業を長時間行わない

これらのルールをすべて厳密に守るのは難しいかもしれませんが、できることから意識してみてください。
急なシャットダウンを防ぐ設定方法
バッテリーが劣化してくると、バッテリー残量が十分あるはずなのに突然電源が落ちてしまうことがあります。
理由は、劣化によってバッテリーの電圧が不安定になることなどが原因で起こります。
突然のシャットダウンを完全に防ぐのは難しいですが、Windowsの設定で、バッテリー残量が少なくなったときに警告を出すタイミングを早めに設定しておくことで、心の準備をする時間を作ることができます。
バッテリー残量のお知らせ設定方法
Windowsの検索窓に「電源プランの編集」と入力して、表示された項目をクリックします。
「電源プランの編集」画面で、「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
小さな画面が出てくるので、「バッテリー」という項目を探してクリックし、さらに下の項目を開きます。
「低バッテリーレベル」や「バッテリー切れレベル」といった項目があります。
これらの数値を、初期設定よりも少し高めのパーセンテージに設定しておくと良いでしょう。
例:低バッテリーレベルを10%→20%に設定など
設定を変更したら「適用」→「OK」をクリックして閉じます。
こうしておけば、バッテリー残量が設定したレベルになったときに警告が表示されるので、焦らずに電源を探したり、作業中のファイルを保存したりする時間を持てます。
バッテリー状態を定期ログで残す方法
自分のノートパソコンのバッテリーがどれくらいのペースで劣化しているのかを知っておくために、定期的にBattery Reportを生成して保存しておくことをおすすめします。
例えば、「毎月1日にBattery Reportを出す」と決めて、生成されたHTMLファイルを日付を付けて保存しておけば、後から見返してバッテリーの元気度がどう変化してきたかを確認できます。
劣化のペースが分かれば、「あとどれくらいで交換が必要になりそうかな?」という目安にもなりますし、バッテリーの状態を意識すること自体が、日頃の使い方を見直すきっかけにもなります。

Battery Reportを出す手順は難しくないので、ぜひ習慣にしてみてください。
まとめ
この記事で、あなたのノートパソコンのバッテリーがどれくらい元気なのか、ご自身で確認できるようになったかと思います。
バッテリーはノートパソコンにとって大切な部品です。その状態を知り、適切に付き合っていくことで、より長く、より快適にあなたのパソコンを使うことができるはずです。
もし、この記事を読んで「やっぱりバッテリーがかなり劣化しているみたい…」と感じたら、交換を検討してみてください。
そして、これからはご紹介した予防策を試して、新しいバッテリー、あるいは今のバッテリーを少しでも長持ちさせていきましょう!